東芝 0 1 3 3 0 1 0 0 0 8
日立製作所 1 0 0 0 0 0 2 2 0 5
8月31日:大田スタジアム東芝 佐藤、櫻井、野田 - 井川日立製作所 猿川、望月、宇野、垣ヶ原、梅野 - 中園本塁打:松本(東芝)今年は11月上旬に開催される第40回社会人野球日本選手権大会ですが、その関東代表の1枠を賭けた決定戦、神奈川県の強豪・東芝と茨城県の名門・日立製作所との1戦を観戦してきました。東芝の先発佐藤翔太は初回からボールが高めに浮き気味だったり、ストライクが入らなかったりと制球に苦しみます。1回裏から先頭打者をいきなり死球で出し送りバントも決められ、3番中村良憲にも甘く入ったところをレフト前ヒットで続かれてしまい、ランナー三塁に送られたところで、日立側の4番、岡崎啓介が内野ゴロ併殺崩れの間にランナーホームイン!佐藤の乱調を突き、日立側がまず先制します。しかし、対する日立側の先発・猿川拓朗。一見すると低めにボールがいって投球が安定しているように見えて実は佐藤より乱調でした。2回表、東芝打線はランナーを二塁に置いたところで打席には、その猿川の大学の1年先輩に当たる石川桜太。石川は猿川の投球を捉え、大学の1年後輩に容赦なくピッチャー返し(笑)。するとその打球がマウンドに当たって大きくバウンド、ボールは結果的にセンター前タイムリーとなって東芝がすぐ同点に追い付きます。3回表になるとあからさまに猿川の制球が乱れ始め、この回先頭のベテラン1番大河原正人にフルカウントから四球でランナーを出してしまうと、続く2番松本幸一郎は送りバントも、打球を処理した猿川の一塁送球がやや荒れて受けたファーストの足がベースから離れてしまい、松本セーフ。そしてランナーがたまったところで打席に入るは東芝の強打者、3番服部政樹。服部もフルカウントまで粘ったところで猿川の139kmの速球を捉えてフルスイング!完璧に弾き返し、打球は右中間を大きく破る勝ち越しの2点タイムリーヒットとなります。更にランナー服部が得点圏に残っているところで、6番戸田大貴も甘く入った変化球を拾い上げるようなバッティングで、打球をライト前に落とすタイムリーヒット!先月の都市対抗では富士重工業の補強選手として素晴らしいピッチングを見せ、同チームの都市対抗準優勝に大きく貢献したばかりの猿川でしたが、皮肉にも自分のチームではそのピッチングを見せられず、この回限りでマウンドを降りてしまいました。猿川をKOした後も東芝打線の勢いは止まらず、4回表にもまたも大河原の四球などでランナーをためたところで打席に入った松本がライト方向に大きく放物線を描くような打球を打ち上げます。すると打球はゆっくりながら意外にも伸びていき、球場内も、え?この打球もしかして?という空気に包まれたところで、打球はゆっくりライトスタンドに吸い込まれる3ランホームラン!東芝、リードを更に広げます。日立側も負けじと4回裏には中村良が、5回裏にも今日は出るピッチャー出るピッチャーが失点とリードでは苦しんでいたキャッチャー・中園雄一郎がセンター前ヒットで出塁するも、東芝先発佐藤が要所では変化球が見事にきまり内野ゴロに打ち取り続けるピッチングで日立に残塁の山を築かせ、これらを無失点で切り抜け。むしろ相手方投手陣よりもフラフラに見えた佐藤、実に不安定な投球、しかしながら6イニング消化して1失点のみと試合を作ります。東芝が確実に得点を重ね、対する日立側は佐藤の、のらりくらりとした投球にかわされ何度もチャンスを潰したところでの6回表。東芝打線は大河原のヒットなどでランナーを得点圏まで送ると、またも服部が今度は鋭く一・二塁間を抜けるタイムリーを放ちとうとう8点目。7点差のリードで日立に止めを刺したかのように思われました。ですが、この直後にマウンドに上がった日立側5番手投手梅野無我が、サイドからの威力ある球と安定した制球力を見せこの6回途中から最終回まで、今まで得点が止まらなかった東芝打線をきっちりゼロに抑え込みます。梅野の好投で首の皮一枚でつながった日立。7回裏、さすがに佐藤を何度目かの正直でようやく捉え、満塁のチャンスを作ったところで打席には先制の打点も挙げている岡崎。岡崎は疲労の色が濃い佐藤に対しピッチャー返し!打球は佐藤のグラブをはじき、後ろに控えていたショート松本のグラブもはじいて外野に転々と転がる2点タイムリーヒットとなります。更に日立は8回裏にもつないでつないで中村良のタイムリーなどでまた2点を上げ3点差まで詰め寄り望みをつなぎますが、東芝側も先日の試合で完封したばかりの野田雄大を9回裏、急遽マウンドに上げる必死の継投で粘る日立を抑え込み。結局、試合前半のリードが効いて東芝が逃げ切り、三大会ぶりに日本選手権への出場権を獲得しました。
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